独習 ASP.NET 第3版は第2版とは別物!再学習&再入門におススメ
著者の山田さんと翔泳社さんに献本いただきました。ありがとうございます。
ざっと眺めて見ましたが、これは第2版とはまるで別物です。第2版が出た頃は確かVS 2005出た後だった気がしますが、それ以降にLINQ/EF/ASP.NET Dynamic Data/ASP.NET MVC、jQueryなど多くの技術がASP.NETに組み込まれていきました。本来ならば全部の要素を学習者は盛り込んでほしい所ではあるかと思いますが、それをやると1000Pでも足りなくなるため、恐らくですが山田さんは意図的にASP.NET 2.0+AJAX部分というポイントを絞って執筆されたものと思います(クライアントサイドスクリプトやLINQなどはノータッチ)。
ズバリASP.NETの仕組み部分をおさえるには本書がおススメ
Requestオブジェクト、Responseオブジェクト、Traceオブジェクト、Global.asax、HTTPハンドラー、Pageクラス、構成ファイル(machine.config/web.config)などの仕組み部分を詳細に解説しています。他にもViewStateから始まり、クッキー、セッション、アプリケーションキャッシュなどの状態管理に関する情報も取り扱っていますので、パフォーマンスの良いサイトを作るための基本も学習できます。
それぞれ、以下の章で触れられています。
- 第6章組み込みオブジェクト
- 第7章状態管理
- 第10章部品化技術*1
もちろん基本となるサーバーコントロール(AJAX Extensions含む)の利用やデータソースの利用方法も記載しています。
開発後のデプロイも覚えれる!
付録には開発したアプリを配置するIISへのデプロイ方法が記載されています。もちろんバージョンは最新のIIS 7.5。チューニング方法とかではなく、単純にデプロイ方法ですが、IIS 6.0の頃よりは複雑化しているIIS 7.0以降にいきなり触れて嫌いにならないための必要情報が記載されているので入門者にはおススメです。
個人的には…
付録としてVS 2010のソリューションエクスプローラ上で利用できる配置パッケージの作成に関する説明があっても良かったかも?とは思いました(ページ都合での割愛っぽいので野暮ですが)。
まとめ
間違いなく良書です。クライアントサイドスクリプトなどはJavaScript本格入門を読めばいいと思いますし、本書ではASP.NETでおさえるべき部分をしっかりと抑えられるのでこれから入門する方、仕組み部分いまいちなんだよな…とか感じている方は一度立ち読みでもいいと思うので手に取ってみることをお勧めします。
- 作者: 山田祥寛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/02/16
- メディア: 大型本
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JavaScript本格入門 ?モダンスタイルによる基礎からAjax・jQueryまで
- 作者: 山田祥寛
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2010/11/27
- メディア: 大型本
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蛇足
次回のCLR/Hでは本書をお土産で2名の方に提供予定です(山田さんと翔泳社さんのご厚意によりお土産用に献本いただきました)。もし札幌近郊で興味がある方は3月26日のCLR/Hに参加をご検討ください。内容はRailsですが、ASP.NET MVCとの比較なども行ってもらえるようです。
*1:最初WebPartsかと思ったら全然違った…